理沙子は強いな、とよく康二は言う。あたしはいつも苦笑いを浮かべる。
理沙子は我慢強いな、とよく徹は言う。あたしはどうしようもない表情を浮かべる。
康二が、あたしを強いと思っているのなら、あたしは強くありたいと思う。
それがきっと康二の理想の理沙子だからだ。
けれど、それと同時にそんな理想を壊したくもなる。
康二の前で子供みたいに声を上げて泣いてしまいたい。
「あたしを見てよ」
理想の理沙子じゃなくてただの理沙子を、なのか、徹じゃなくてあたしを、なのかはあたしにも分からないけれど。
『あなたが幸せならそれでいいなんて言えない私を許して』