メートル、リットル、ヘクタール。ものを測る単位は無数にある。
「で、思いを測るのには何が一番適当か考えたわけですよ」
ポッキー片手に大演説繰り広げている佐崎の前で、俺はブリックのウーロン茶をすする。
「聞いてるの井上!」
「聞いてる聞いてる」
ポッキーを二本一気にくわえる。なんだか贅沢をしている気分になるのは小市民だからなのか。
「で、何が適当なんだって?」
出来ればそろそろ演説終了して帰りたい、そんな思いを混ぜながら問うと、胸を張って答えが来た。
「私の知ってる言葉でその思いを伝えられるか伝えられないか。それで思いは測れる!」
ややもすれば哲学的な言葉に聞こえるかもしれないその答えに、俺は軽く呆れる。
「お前、国語2じゃん」
「うるさい!」
『私の知ってる限りの言葉では上手く伝わらない気がするの』